M.A.Y. blog

札幌のTRPGサークルM.A.Y.のブログです。

おしらせ

2006年7月30日(日)コンベション開催決定!
このたびM・A・Yでは、久しぶり(10年ぶり!?)にコンベションを開催することとなりました。
当日は「ウィザードリィ」「ガンドッグ」「迷宮キングダム」ドラゴンォーリア」「スーパーロボッット大戦」などを予定していますので。どうぞお気軽にご参加下さい。


次のセッションは上記7月30日(日)となります。詳しくはこちらへ

 <原稿提供者のみなさま>リプレイ小説、アースドーンの連載が終了しました。記事を提供いただきMAY一同、この場を借りてお礼申し上げます。


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魔法の水<6>(T&Tリプレイ小説)

NBさん作

 水源はかなりの広範囲に渡っているので、調査には思いの他時間がかかった。探した範囲では、狼の足跡は一つも見いだせなかった。まあ、野性の獣のことであるし、こんな人里近くに水場を持つようなことはないのだろう。
 そろそろ夕方の水汲みの時間であった。水桶を手にした娘たちが、泉の各所に姿を見せ始めている。養鶏屋の主人の孫娘レガシイ・カースンの姿を見かけたカイルは、軽く挨拶して近寄っていった。

「重そうだね。ぼくが、持ってあげるよ」
「あら、ありがと。カイルたちが、狼を退治してくれるんですって?」
「う……うん。力いっぱい頑張るから」
 力技には、ちょっとどころではなく自信のないカイルであった。貸兵所で貰って来た仕事をしてるという自覚にも関わらず、やっぱり戦闘なんか起こらない方がいいな、などと思ってしまう。
「いっつも、この辺に水汲みにくるの?」
「うん、そう。おじいちゃんは、もっとずっと奥の、グレイスターの泉から汲んでくるようにって、いっつも言ってるんだけど、どうせどこの水でもわかりゃしないのよ」
「グレイスターの泉?」
「そう、何でも、昔々、竜殺しの英雄が、竜退治の前にその水を飲んだら、気力も体力も完璧に回復したっていう、そういう伝説があるんですって」
「へえ、それは知らなかったな」
 泉の数が多いだけに、伝説もまたたくさんある。カイルもいくつかの有名な泉の逸話はそらんじていたが、「グレイスターの泉」については初耳であった。
「本当に回復するんなら、いいのにね」
「するはずないじゃない。ありがちすぎな伝説で、笑っちゃうわ。おじいちゃんってば、鶏にはそこの水がいいんだっていって、こだわってるの。あたしも初めは、大真面目にわざわざ遠いグレイスターまで行って、水汲んできてたのよ。だけど、他の水とちっとも変わりゃしないわ。面倒になったから、この辺の水を汲んで帰ったら、おじいちゃん、ちっとも気づかないの。馬鹿馬鹿しくなっちゃって、それからずっとこの辺で汲んでるの。あ、これ、おじいちゃんには、内緒ね」
 カイルは苦笑して、頷いた。
「グレイスターって、そんなに遠いの?」
「遠いわよ。ずっと向こうの岩場とかのあたり。遠いし、あんまし人が行かないとこだから、道とかきついし、獣とか来て悲鳴あげたって、誰も来てくんないようなとこよ。危ないじゃない。お友達もそんなとこまで行かないもの」
「ああ、そうだね。水なんか、どこでも同じだよね」
「もう、やになっちゃうわ。今日は、二回目いかないといけないのよ」
「それって、ぼくらがいるからかな」
「あら、そうか。そういえば、そうなのね。あたし、そう言いつけられただけで、どうしてか考えなかったけど」
「それじゃあさ。二回目はぼくが行くよ。夕食の仕度とかあって、忙しいんだろ」
「ほんと? ほんとに行ってくれるの? ありがと、あたし、うんとごちそう作っとくから」
 一杯目の水桶の中身を水甕にあけ、嬉しそうに手を降るレガシイに見送られて、カイルはもう一度桶を持って森に入った。
「グレイスターの泉……か」
 興味を覚える話だった。人を信じやすいカイルとて、まさか本当にその泉の水で、体力の消耗や怪我が直るとは思っていない。だが、そんな伝説をつけられる泉とは、どんなたたずまいをしているのだろう。
「行ってみるか。まだ、明るいし」
 カイルは空の桶を担いだまま、軽快に走りだした。泉から獣道のとっかかりを見つけ、どんどん奥に入って行く。女の子がそれでもしばらくは水汲みに通っていたような場所だ。危険があるとは思えなかった。
(そういえば、岩場って行ったら、昼間グレゴリーさんとヨハンさんが行った方じゃないか)
 狼がどうのと言っていたが、二人とも無事に帰って来たのは、鶏小屋の方にいる二人の姿を見かけたので、わかっている。
 もしもカイルが、すでに帰っていた戦士たちに、一言挨拶して二度目の水汲みに出たなら……グレイスターに行くのは、明日にしたか、あくまで今日じゅうに調査に赴くつもりなら、せめて誰かについてきてもらうよう頼んだに違いない。
 謎の声のことを知らぬまま、カイルは昼間仲間たちが行ったと同じ道を辿った。


<続>
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