M.A.Y. blog

札幌のTRPGサークルM.A.Y.のブログです。

おしらせ

2006年7月30日(日)コンベション開催決定!
このたびM・A・Yでは、久しぶり(10年ぶり!?)にコンベションを開催することとなりました。
当日は「ウィザードリィ」「ガンドッグ」「迷宮キングダム」ドラゴンォーリア」「スーパーロボッット大戦」などを予定していますので。どうぞお気軽にご参加下さい。


次のセッションは上記7月30日(日)となります。詳しくはこちらへ

 <原稿提供者のみなさま>リプレイ小説、アースドーンの連載が終了しました。記事を提供いただきMAY一同、この場を借りてお礼申し上げます。


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魔法の水<7>(T&Tリプレイ小説)

NBさん作

 何の懸念もないまま、カイルは無事にそれらしき泉に着いた。町に近い水場と違って、この辺には他に泉と呼べそうなわき水はない。薄らぎかけた陽の光の下、冷たい水を溢れさせるグレイスターの泉は、深みが青く澄み、ひらけた周囲に眠りにつきかけた野の花を従え、夕方の森の静寂(しじま)の中に、魔的な気を放っていた。
「こんなところがあったのか」

 カイルは道中の埃で汚れた桶をよく洗って、岸辺でも一番きれいそうなところから、水を汲んだ。日没から森の夜の到来までが早いのは承知しているが、そのままいつまでもゆらゆら揺れる水面を眺めていたいほど魅惑に満ちた空気を、その小さな空間は持っていた。

《おにいちゃん、おにいちゃん》

 奇妙な声で呼ばれたのは、雰囲気を堪能すること数分、さて帰ろうかとした時だった。グレゴリーかヨハンがいたら、それが昼間の声と同種のものであることを、指摘したかもしれない。つまり、本来しゃべるべきものでないものが、魔法の力で話す力を与えられている、そういう声だ。特に申し合わせたわけでもないのに、カイルもレゴー・ドムーの声を連想した。

《おにいちゃん。ここ、ここ》

 きょろきょろと声の主を探すと、なんとそれは足元にいた。普通の仔犬より二回りほど大きい狼の仔が、きちんと座って、尻尾をふりふり、こちらを見上げていた。

「ぼくを呼んだの、おまえかい」

《そう。おにいちゃん、あの人の仲間?》

「あの人?」

《あっちで倒れてた》

 ということは、グレゴリーとヨハンでないことは確かだ。カイルは、しゃべる狼を気味悪く思わなかったわけではないが、好奇心が勝って、そのまま仔狼についていった。
 仔狼がカイルを案内したのは、泉の反対側の道をしばらく行ったその先の、岩場に口を開いている洞窟であった。洞窟の奥には、大きな狼がいた。

《とうちゃん。あの人の仲間、連れてきた》

《こら、人間にみだりに話しかけてはいかんと、常々言っておるだろう。人間とは、凶暴な生き物なのだ。とって、食われてしまうぞ!》

 いきなり大音声で説教をくらって、耳と尻尾を丸めた仔狼とともに、カイルまで一歩後ずさりしてしまった。

《でっ、でもっ。その人、ずっと洞窟に置くわけにはいかないって、いっつも言ってたじゃないか。この人、いい人そうだから、連れて来たんだよ》

《人間はみかけではわからないのだ。人間は卑怯だから、いつでもわしらを殺そうと、優しそうな顔で近づいてくるのだ》

「あーー、あの~~~」

 その「人間」の目の前で説教される気詰まりに、カイルは少し遠慮しいしい、口を出した。

「ええっと、ぼく、誰か人間らしい人がこっちでお世話になってるらしいので、引き取りに来ただけなんですけど」

《ふむ……》

 父さん狼は値踏みするように、カイルを上から下までじろじろ眺め渡した。薄暗い洞窟だが、さすが狼だけあって、暗目がきくらしい。

《よろしい。悪い人間ではなさそうだ。では、おまえさんが、あいつを連れていってくれるのかね》

「まず、会わせてもらえます?」

《いいとも。そこにおる》


<続>

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