M.A.Y. blog

札幌のTRPGサークルM.A.Y.のブログです。

おしらせ

2006年7月30日(日)コンベション開催決定!
このたびM・A・Yでは、久しぶり(10年ぶり!?)にコンベションを開催することとなりました。
当日は「ウィザードリィ」「ガンドッグ」「迷宮キングダム」ドラゴンォーリア」「スーパーロボッット大戦」などを予定していますので。どうぞお気軽にご参加下さい。


次のセッションは上記7月30日(日)となります。詳しくはこちらへ

 <原稿提供者のみなさま>リプレイ小説、アースドーンの連載が終了しました。記事を提供いただきMAY一同、この場を借りてお礼申し上げます。


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魔法の水<8>(T&Tリプレイ小説)

NBさん作

洞窟の隅に、確かに人間(ヒューマノイド)型のものが寝かされている。身長は150cmくらい。人間ではないが、見覚えのある顔だ。
「アインゼンステイン師のところの、マッツーじゃないか」
 それは、ミライゼルの3人の弟子の一人ドワーフのアインゼンステイン師の、弟子兼使い走り、ゴブリンのマッツーであった。

《知り合いかね》
「はい。彼は、どこにいたんですか」
《泉のそばの、こっちに近い側の岸辺に倒れておったのだ》
「じゃあ、保護して下さったんですね。ありがとうございます」
《ちっとも、目を覚まさないので、どうしようもないので、放ってある。かれこれ、3日になる》
 とくに外傷はないようだ。カイルはマッツーをゆすぶってみた。初めは優しく、全然きかないとみて少し強く。
(完全にまいっちゃってるな……)
 カイルが、《回復》の呪文を使うと、ようやくゴブリンは目を開けた。
「マッツー、大丈夫か?」
「あ……あーーー、カイルさん?」
 マッツーの方も、カイルの顔を覚えていたようである。
「いや……いや、いや、ありがとう、ございます。では、あっしはこれにて」
 マッツーはよろよろしながらも、自分の足で立ち上がり、ぺこんと一つお辞儀した。
「あ、おい、これにて、って、ちょっと待ってよ。いったい……」
《気がついたようだな》
 狼が側に寄って来たので、カイルは、魔術師見習いのゴブリンに質問するタイミングを逸してしまった。
「はい。目を覚ましたようです。ご迷惑をおかけしました」
《それはよかった。我々も、助けた甲斐があったというものだ》
「知り合いを助けていただいた上に、ぶしつけで失礼とは思うんですが……ここは、いったい何なんですか?」
《おまえたちが、狼と呼んでいる存在の居住地だ。1週間ほど前、よそからやってきて、ここに住み着くことにしたのだ》
「あの……そしたら……」
 カイルは言い難そうに、言葉を濁したが、思い切って聞いてみることにした。
「カースンさんの、鶏を襲ったのも、あなたがたですか?」
《そうだ》
 怒るかと思いきや、狼はあっさりと犯行を認め、しかも悔恨の情さえ示した。
《あれは、我々にとっても、遺憾極まる出来事であった。だが、あの時の我々としては、習性上いたしかたのない仕儀であった》
「はあ……それは、そうですけど……」
《しかしだ》
 狼は頭をこう然と頭を上げた。
《今や、あの頃の我々とは違うゆえ、もはや迷惑をかけることはない。生の鶏などを、なぜうまいと感じていたのか、今の我々は、理解に苦しむばかりだ》
 生の鶏をまずいと感じる狼なんて、それこそカイルには理解不能である。
「じゃあ、今は何を食べて生きてるんですか。いったい、こんなふうになったのは、いつ頃からなんです?」
《我々が、今の知性を得始めたのは、4、5日前のことからだ。原因はわからないが、突然に自分たちの生活が、いかに本能のままの堕落したものであるかに気がついたのだ。「目覚め」には個人差があるらしく、一部の仲間は2~3日後まで迷妄から覚めなかったようだが、今は深く恥じ入り、名誉挽回のためにすすんで労働に身を投じているゆえ、安心していただきたい。現在、我々ははきのこの栽培に着手し、健康で文化的な最低限度の生活を築くべく、日夜努力しておるものである。》
「は……はあ……」
 狼が得意そうに奥に呼びかけると、返事があって、中くらいの狼が出てきた。どうも、奥さんらしい。奥さん狼が口を開けると、ぽたぽたときのこが落ち、地面に山を作った。
《このようなもので償いになるかどうか危ぶむものではあるが、どうかお納め願いたい。その鶏の持ち主であるカースンさんとやらにも、よろしくお伝え下されば幸甚この上ない》
「わかりました」
 カイルは、もう奇妙だと思う感覚が麻痺してしまった。上着を脱いできのこを包むと、肩に担ぐ。
《ぜひとも、我々の新しい事業である、きのこの味と質を吟味してもらいたい。需要と供給が見合えば、人間との取引や共存も可能となるやもしれぬ。さすれば、我々も人間も、互いに互いを恐れ合うこともなくなるというわけだ》
「そうですね。そうなると、いいですね」
 カイルは狼たちに見送られ、洞窟を出た。マッツーはいつの間出ていったものか、姿を消していた。
 森はすでに、夜の影に支配されていた。

<続>

 
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